精神疾患・障がいを抱える方を支援するブログ

経験者だから感じる視点で、読者の方に少しでも希望を届けたいと思います。

就労支援フォーラムNIPPON2018

先月の話になりますが、昨年も日本財団主催の「就労支援フォーラムNIPPON2018」に行ってきました。このフォーラムは福祉業界の最先端の情報に触れることができ、いつも刺激と学びをもらっています。

 

個人的に今回、面白かったのは政治家が登壇したプログラムでした。福祉行政に携わっている政治家が色々な政党から6名登壇し、大学教授などと交えて議論していましたが、今の福祉の仕組みを変えようとしていることは分かりました。

 

議論に上がっていた内容は、例えば、企業と福祉の連携を進めたい(労働行政と福祉行政は基本的行政システムが大きく異なるのも連携が難しい理由の一つ)。柔軟な働き方の模索(仕事に働く人が合わせるのでなく、働く人の特性に仕事が合わせるなど)。障がい者手帳の見直し検討(医療モデルから社会モデルへの転換)など。

 

また、厚労省の職員も来ていたにも関わらず、例の障がい者水増し問題の話題では厚労省はボロクソに言われていました。いわく、今の中央省庁には障がい者を受け入れる環境がないとか(今年の大量雇用、どうするんでしょうねえ)。

また今回の問題が起きて検証チームを発足しましたが、厚労省を中心とした中央省庁メンバーでの検証チームだったそうで(当事者や関係団体はヒアリングしただけで決定プロセスからは外した)、結局内輪で解決を図ったということだったようですね。それでは自浄作用が働くわけがないような。

 

今回、特に興味深かったのは、日本財団が提案した「WORK!DIVERSITY」です。

www.nippon-foundation.or.jp

これは、福祉事業所が障がい者という区分だけでなく、生きづらさ・働きづらさを抱える人全般を包括した支援を目指すものです。

生きづらさ・働きづらさを抱える人とは、例えば障がい者の他に、ニート、がん患者、ホームレス、元受刑者などなど。これから全国何拠点かで実証試験をするとの説明でした。

 

こうした人達を社会で活躍するよう支援することは容易ではないと思いますが、再チャレンジ可能な社会を目指すという理念にはとても共感します。

それはもちろん本人の幸せのためであり、大きな視点で見れば社会の経済活性化や治安の安定に繋がることだと思います。

 

今の福祉事業所の就労支援の仕組みは一定の成果を上げていると思いますが、上記のダイバーシティの流れも含めて、今後、見直しが入ることになると思います。今、私がアルバイトしているA型事業所は特に見直しが入ることになるでしょう。

上から目線の支援者ー2

前回の続きです。

 

先日、そのサビ管の人を車に乗せて帰ったのですが、帰りにある利用者(Aさんとします)の問題を色々聞かされました。

僕は、この人この前の職員朝礼でもAさんのことを言ってたよなーと思いながら聞いてたのですが、指摘する問題点が僕にとってはどうでもいいというか、え、そこなのっていう細かい点ばかり。

はんだ付け的な作業をAさんがしたが、去年もやったはずなのに、新しく入ったばかりの他の人の方が上手だったとか。そんなんただの得手不得手じゃないのみたいな。

 

ふんふんと聞きながら心の中でずっと違和感を感じて、うんざりしていました。

そのサビ管の人は自分の事を「指導員」と呼びます。それって業界的には普通なんでしょうけど、僕に言わせれば「あなた、何を指導するの?」って言いたいんですよ。

 

A型事業所から一般企業に就労することありきで考えて、利用者にもそうハッパをかけているようですが、まずその一般就労ありきで利用者を巻き込む視野の狭さを感じます。

福祉業界的には、このことは常識らしく、サビ管は一般企業への就労者をどのくらい出したかで評価されるらしいです。私は単純に利用者が幸せであればいいんだし、その結果が一般就労だろうがそのままA型だろうが在宅ワーカーになろうが、何でもいいと思いますけどね。

行政の制度の関係で利用者がずっとA型にいたら経営的に難しくなるという面があるのは承知していますが、利用者自身の事情の前に制度ありきで考えるのはおかしいし、あるべき支援と現実の制度のバランスをうまくとっていくのが事業所の役割の一つと思います。

 

そして、健常者が働く一般企業を100%と考えて、障がい者を何とか100%に近づけようとしているように見えます。これって利用者、障がい者の立場から考えたらすごく迷惑だと思います。

そういう相対評価でなく、絶対評価で彼らの力を100%発揮するためのきっかけ作りをするのが支援者の役割ではないですか?指導員としていい大人を指導できると考えているのなら傲慢だと思います。

 

もう一つ言うと、そこまで一般企業での就労と言うのなら、利用者のことだけでなく、企業の動向についても積極的に情報を仕入れて、利用者が一般企業の業務にどうマッチングするか検討するべきでしょうが、あまり一般企業のことや世の中の動きを知らない。

一般企業に利用者を合わせるのでなくて、成長した利用者に合う企業や仕事を探す支援をすべきではないですか?

 

上から目線の支援者にうんざりという話は聞いいましたが、そういうことなんだなとこの世界に入って感じました。

こんなこと書くと、色々と反感を食らいそうですね。それぞれの立場の言い分もあると思いますが、ちょっとなーと感じています。

上から目線の支援者ー1

実はというほどでもないのですが、私は一般企業を退職して、福祉の仕事をすることにしました。

 

自分自身の病気の経験があるとはいえ、福祉業界で働いた経験がないなと思ったので、今は週2~3日のアルバイトでA型事業所で働かせてもらっています。その事業所は、ほとんどの利用者が精神・発達障がいの方です。

農業とITの業務をしていて、色々とユニークな取り組みをしています。福祉事業所の中でも変わってるという評判だったので、ここで働かせてもらうことにしました。既に数ヶ月過ぎましたが、日々発見があり、楽しく過ごしています。

 

私がこの事業所をいいなと思うのは、まず福祉の常識にとらわれていないことです。

ほとんどの職員が福祉業界での経験はあまりなく、障がい自体の理解はあまりないのでそこは欠点ですが、下手に知らない分だけ障がいの先入観で入らずに本人としっかり向き合った支援をしています。

また、福祉の制度ありきで支援を考えるのではなく、まずやるべき支援を考えている点も感心しています(当たり前のようで、意外とそうでない事業所が多い印象)。

 

しかし、最近ちょっとどうなんかなーと思うことがあります。

福祉の世界をご存知な人は知っていると思いますが、事業所にはサービス管理責任者(サビ管と呼びます)という人がいます。これは5年とかの福祉業界経験がいるので、ある程度ベテランの人でないと務められない仕事です。

私的には、(良くも悪くも)この世界素人の職員とこの世界ベテランのサビ管との考え方の対比が面白く、特にサビ管の人から福祉の人ってこんな見方をするんだなーって結構興味深いです。

もちろん福祉の人と一括りにするのは間違っていますが、そのサビ管から話を聞くと、福祉業界の一面は伝わってきます。

 

続きは(というか本題は)、次回で。

「おとなの発達障害かもしれない!?」

最近、「おとなの発達障害かもしれない!?」(森島明子)という本を読みました。

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著者は漫画家として活躍されている方です。何となく発達障がいの自覚がありつつ生活していた人がADHDの診断を受けて、辛い思いをしたり前向きになったりしながらありのままの奮闘記でした。漫画なので読みやすいですよ。

 

この中で私の心に残った言葉を書くと、

・発達障がいがあるから必ず生きづらいってわけじゃないんだよね。苦悩する人、気にしない人、才能にしてる人、人それぞれ。

・発達障がいの人が生きづらいってことは、今のこの社会は全ての人にとって結構生きづらい。

・私の事を肯定も否定もされない。こういう安心感もあるんだな。

・健常者を定型、発達障がい者を非定型と表現することも多いよ。

・大人になった今の自分が子供のころの自分に言葉をかける・・か。あのころ誰にも気づいてもらえなかったことを大人の私が気づいてあげたぞ!子どもの私から大人の私へ、大人の私から子どもの私へ。話したいことはいっぱいある。それを心の中でひとつひとつ伝えていくのはけっこう楽しくて良い作業なんじゃないかなと思いました。

・奇跡でもなく魔法でもなく、ひとつひとつ小さなことの積み重ねがひとつひとつ形になって、少しずつ目の前が開けていくのを感じました。

 

ちなみに、発達障がいの表現について記載があったので私の意見を補足します。

本で「非定型」という表現が紹介されていましたが、私はこちらの方がしっくりきます。

 

英語では「developmental disorder」。「disorder」は「order」の否定形です。「order」は注文、命令、順序、秩序といった意味ですから、この場合は「秩序だっていない」→「普通ではない」→「非定型」という訳がしっくりきます。

 

なぜなら、「秩序だっていない」、「普通ではない」=「障害」ではありません。別に皆が秩序だっている必要などないし、外れていても普通ではなくても楽しく生きることはできるし、むしろそれを強みにすることもできます。

確かに生きづらさに繋がる部分もあるのは事実ですが、「disorder」が「障害」とするのは飛躍していると思うんですよね。

 

障がい者雇用水増し不正問題-4

このネタは前回で終わりにしようと思っていたのですが、今朝のニュースにかなり腹が立ったので投稿します。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

うーん、何とかいうか。。これは野党や障害者団体でなくても批判しますよ。

ザ・お役所。企業からは障がい者を雇わなかったら罰金取るのに、役所はお咎めなしですか。ダブルスタンダードもいいとこ。筋が通らない。

まあこんなもんかなと思いますが、それでも真剣に腹が立ちました。

 

国(厚労省)が定めたルールでは、

”常時雇用している労働者数が100人を超える障害者雇用率(2.2%)未達成の事業主は、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて1人につき月額50,000円の障害者雇用納付金を納付しなければならないこととされています。”

引用:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構HP

 

企業は障がい者不足1人につき月5万円、年60万円も利益から払わないといけないんですよ。それが役所は不足していても処分せずって。。しかも、障害者雇用を進める本丸である厚労省ですからね。。もう民間企業から罰金を取るべきではないでしょう。

 

この問題の私の感情的には、

障がい者雇用水増し不正問題で呆れる 

 穴埋めするために無理やりの障がい者雇用計画でさらに呆れる

「処分に値する違法な行為はなかった」とかで処分スルー。もはや呆れるというか

いい加減にしろよ!!(←今ここ)

 

悪いことをしたら謝らないといけないのは小学生でも知ってること。その基本を実行できないなら誰からも信頼されません。

 

処分といっても公務員なら民間と違ってクビになることもないのに、まともに責任取れんのか!と思いますね。

お役所の論理があって鬱屈した思いの職員もいると思いますが、私が企業の社長の立場で罰金を請求させたら、おたくが違反しても何もしないのに、なんでこっちは払わないといけんのや、って言いますよ。

 

この後処理のまずさは、水増し不正をしていたこと以上に罪深いと思います。

障がい者雇用水増し不正問題-3

前回の続きです。

 

一般に障がい者雇用がうまくいくかどうかは障がい者本人次第と思われていますが、それだけではありません。受け入れる職場の風土、モラル、文化といったものが大きく影響すると思います。

はっきり言って、障がい者を受け入れるだけの風土、モラル、文化がない組織は障がい者を雇用しない方がお互いにとって良いと思います。だから、とにかく数合わせ的に障がい者を雇用しろというのはとても無理がありますし、それは本人の特性や希望を考慮しない機械的な採用や配置、そして離職に繋がると思います。

 

最近読んだ本の紹介ですが、「障がい者の能力を戦力にする」(著者:川島 薫)。

障がい者の能力を戦力にする - Google 検索

 

著者は、楽天ソシオビジネス(楽天の特例子会社)の役員として活躍されている方で、自ら身体障がい者です。この会社は黒字経営を続けており、障がい者を戦力にするノウハウが紹介されています。

障がい者がやっているから赤字でもいいというのは絶対に間違いで、企業である以上、黒字を目指して経営するべきだと思いますし、それを実践されている優れた会社です。

 

障がい者が法律を守るための単なる人数合わせではなくて、職場の中で本人の強みを発揮できて、やりがいを持って働くことができて、結果として会社が黒字になる(公的機関であれば市民により良いサービスを提供できる)。そういう職場がどんどん増えていけばいいなと思います。

障がい者雇用水増し不正問題-2

前回、「障がい者雇用水増し不正問題」を書きましたが、省庁は来年度までに大幅な人数の障がい者を雇用して穴埋めしようとしていることが先月ニュースになっていました。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

あまりの無茶苦茶ぶりにただ呆れかえるほかないです。こんな中身のない人数合わせをしても、雇う側も雇われる側も不幸な結果になるのは目に見えてると思うのですが。。

 

障がい者雇用というのはそんなに簡単なものではありません。言うまでもなく、就労というのはその人の人生がかかった大事なイベントであり、適当な話ではないからです。

ダメだったら福祉事業所に戻ったらいいという考えで軽く就職させて、結果的に障がい者に大きなダメージを残したらどうなるのか。崩した体調や失われた自信はそう簡単には回復できません。一般の人の就職が失敗するよりも、よりダメージが大きいことは理解しておかねばなりません。

 

そもそも現在の障がい者雇用率2.5%(公的機関の場合)というのが妥当な数値なのかも良く分かりません。背伸びしすぎて実態は全然違うのですから、目標が高すぎるのではないだろうかという疑問もあります。

 

聞いている話では、再来年のオリンピック・パラリンピックを見据えて、来年度は障がい者関係に結構予算がつくそうです。それ自体はいいことですが、形ばかりを気にして中身がないということにならなければいいのですが。