精神疾患・障害を抱える方を支援するブログ

経験者だから感じる視点で、読者の方に少しでも希望を届けたいと思います。

「就労支援フォーラムNIPPON2017」-2

前回の続きです。

私が一昨年に初めてこのフォーラムに参加した時に思ったのは、医療・福祉の関係者はとても思いがあって優しい方が多いと感じる反面、ビジネス感覚が弱いとも感じました。

ここでのビジネス感覚とは、顧客ニーズの理解→提供価値の決定→収益モデルの確立というプロセスのことを言っています。医療・福祉関係者は行政が決めたモデルで動いているからこのプロセスを組み立てる部分が弱いと感じました。

 

どの事業でも収益を生むことは事業継続のために絶対に必須なことです。福祉事業所も例外でありません。民間企業はこの部分には当然シビアです。

民間企業の特徴として、ビジネスモデルをパッケージ化するということがあると思います。つまり一連の決まった形にして効率化する。例えばマクドナルドのオペレーションは典型的で分かりやすい例でしょう。

この特徴は福祉サービスでは必ずしも当てはまりません。なぜなら疾患・障がいを持つ利用者の方々は一人一人が違う疾患・障がいの特徴や個性を持っていてとても決まった形でマニュアル的に対応できるものではないからです。「その点で福祉は1対1に人間関係が大切なのだから」と言われていた点はとても理解できます。

でもビジネス感覚がもっとあれば、利用者のニーズを汲んだ新たな価値(サービス)を創り出したり、行政福祉の範囲外のサービス提供の可能性も広がるのではないかと思います。

 

私は福祉サービスを提供するという点で、福祉事業所も一般企業も両方の力、感覚が必要なんだと思います。そして、とても難しいことだとは思いますが、どちらに所属していても福祉的観点と経済的観点を両立させることが最も大切なことだと考えています。

今回のフォーラムでは行政の方針がちょっと経済的観点に傾きすぎてないかなという懸念を個人的には感じましたが。

 

フォーラムのプログラムの一つにNHKの「バリバラ」公開収録がありました。1月14日(日)19時~ NHKEテレで放映予定のようですのでご興味ある方はご覧になって下さい!

「就労支援フォーラムNIPPON2017」-1

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 

先月、東京で「就労支援フォーラムNIPPON2017」に参加してきました。2日間ぎっしりの濃厚なフォーラムで、一昨年の参加の時に内容の濃さに感激しましたので2年連続で参加しました。

参加者は約1500名、地方からも多くの人が参集しており、主に医療・福祉業界の方が中心です。私のような一般企業の人間は少数のようです。障がい者の就労支援テーマでは最先端の情報を聞ける場だと思います。

 

フォーラムの内容を書くとキリがありませんので、今回感じた主なトピックを挙げます。

・発達障がいの議題が増えた

前回に比べての印象です。世間の関心が増えていることや今年法定雇用率に精神障がいが対象になることも影響していると思います。

 

・福祉型→企業型への流れ

フォーラムでは政治家の方々も登壇されましたが、福祉事業が従来のものから企業型、つまり経済性を重視した方針へと変化しつつあると感じました。これについては後述。

また、厚労省の方も登壇し今年改正の障がい者総合支援法の話題もありました。就労支援は大幅な変更はなさそうですが、定着がより重視される方向になる見込みです。

 

・支援機関と企業の連携強化

企業も障がい者雇用に悩みを抱えており、企業と支援機関(福祉事業所など)と当事者の三位一体が必要。支援機関が企業との関わりをどう取っていくか?が課題。

 

フォーラムの休憩中、おそらく福祉事業所の関係者と思われる男性2人の会話が聞こえてきました。「最近は上場している企業もあるけど民間企業を制限した方がいいのでは。福祉は1対1の人間関係が大切なのだから、、」。

この言葉は福祉関係者の本音を表したものとして興味深いなと感じました。私はこの言葉の本音を理解できるなと感じると同時に、これではどうなのかなとも感じました。失礼ながら。そう思った理由は次回書きます。

発達障がいと同調圧力

今年は「忖度」という言葉が注目されました。流行語大賞になるかもしれないようです。私はこの「忖度」という言葉、実に日本社会を象徴している言葉だと感じます。

 

「忖度」を辞書で引くと、「相手の気持ちをおしはかること」だそうです。この言葉自体に悪い意味はありません。むしろ社会で生きていくには必要なスキルと思います。

近年では「上役などの気持ちをおしはかる」という用法が広がりつつあるようです。これは「忖度」という言葉の用法の一部にすぎないとのこと。今年「忖度」という言葉に悪いイメージが付きましたが、それはこの用法で捉えた場合と思います。

 

前置きが長くなりましたが、日本社会は実に「忖度」社会、悪い意味ではありませんが「相手の気持ちをおしはかること」を求める社会だと感じます。

それは相手への思いやりという良い部分につながることもありますが、みんな一緒にという横並びの「同調圧力」社会へとつながっているとも感じます。「お前、空気読めよ」という社会ですね。

発達障がいの方は「相手の気持ちをおしはかること」、「空気を読むこと」が苦手です。発達障がいの方にとって日本社会は生きにくいだろうなあと感じます。

 

私は以前、モンゴルで生活し仕事をした経験があります(今、相撲の問題で話題ですね)。日本人基準で考えるとモンゴル人って実に空気読まない人たちなんですよ(笑)。

例えば、移動で飛行機に乗って隣にモンゴル人がいる。こっちはゆっくり寝て過ごしたいなあと思っているのに、そのモンゴル人はおかまいなしでずっとマシンガントークで話しかけてくるんですよ。まあ適当に相手をして、到着する頃にはそこそこ話してるから連絡先くらい交換しようかなあとか思うじゃないですか。でも着いたらさよならも言わずに一目散に去っていったりして。今までは何だったんだという(笑)。

モンゴルに生活し始めた最初は腹が立つことも多かったですが、慣れてくるとあーモンゴル人ってほんま面白いなあって変わっていきました。またネタが増えたみたいな。慣れてしまうと意外と気を遣わなくていいから楽なんですよね。

 

今、職場の人に隠れ発達障がいだろうなと見ている人がいて、やはり「相手の気持ちをおしはかること」が苦手で、周りの人間関係がうまくいっていません。その人のことを腹黒いと思う人もいます。

でも、私には当人は悪気がなく、むしろ純粋な人だと見ています。だからかわいそうだと感じるし、少しずつ「相手の気持ちをおしはかる」よう機会を与えているつもりです。

 

元々、発達障がいという言葉が気に入らないんです、個人的には。障がいというか特性ですよね。それが本人が生きている社会と適応できないから問題が生じるだけで、本人自体に問題があるわけではありません。

あ、ちなみに私は嫁さんからADHDっぽいと言われてます(笑)。

お問い合わせフォーム&支援者交流会のお知らせ

お問い合わせフォームを設置しました。

「リンク」→「お問い合わせ」をクリックしたら、お問い合わせフォーム画面になります。名前(ニックネーム可)、メールアドレス、お問い合わせ内容は必須です。個別のお問い合わせがありましたら、よろしくお願いします。お問い合わせに関する情報の守秘義務は厳守致します。

スマホでご覧の方は、2017-05-01の記事(一番古い記事)がお問い合わせフォームになっていますので、ご記入頂き送信して下さい。

 

また、精神疾患・障がいを抱える方の支援者(家族、友人、職場関係者など)を対象とした支援者交流会を先月から広島市で開催しています。第2回を今月末に開催予定です。お住まいが近くてご興味ある方は、お問い合わせフォームからご連絡下さい。詳細をお知らせします。よろしくお願い致します。

うつ病は治るのか?ー補足

うつ病は治るのか?」というテーマで3回にわたり記事を書きましたが、先日、一般社団法人日本うつ病センター副理事長・野村総一郎氏によるうつ病をテーマとした講演を聞いて、私の知見やブログでの説明に足りないところがあるなと思いましたので、補足記事を書きます。

 

以下、野村氏の講演内容を一部引用します。私の記事では一般的なうつ病、内因性うつ病と呼ばれるものを想定していましたが、うつ病には他にもタイプがあります。

 

まず、身体に原因があるうつ病があります。貧血、甲状腺機能低下、月経前不快気分障がい(PMDD)、更年期障がい、血管性うつ病など。女性の中・高年齢層が特に多いようです。身体と心は連関しているので重要な部分と思います。このタイプのうつ病は身体の原因となる部分をケアすることが効果的なようです。

 

近年増えていると言われる非定型うつ病(新型うつとも呼ばれる)もあります。周囲からの影響がとても大きいのが特徴です。また、元々別枠で考えているのですが、双極性障がいもうつ病と関連する疾患です。非定型うつ病、双極性障がいにどういうアプローチが有効なのか、私自身分からないことが多いので今後勉強していきたいと思います。

 

うつ病を治りにくくする要素として、前々回の記事

うつ病は治るのか?-2 - 精神疾患・障害を抱える方を支援するブログ

で挙げた要因の他に、他の精神疾患(アルコール依存、不安障がい、統合失調症など)との併発が要因の場合もあり、併発疾患の治療が求められるとの話もありました。

 

うつ病を治し、予防するための心構えとして、うつ病の背景にある以下4点を軽減することの説明がありました。

  • 劣等意識
  • 被害者意識
  • 完全主義
  • 執着主義(無駄なこだわり)

うつ病は治るのか?-3

しばらく更新していませんでした。すみません。前回記事の続きを書きます。

うつ病など精神疾患の場合、一般的に治ることを「寛解」という表現をされます。これは「完治」とは違うのか?ということですが、「完治」は文字通り完全に治るという表現に対して、「寛解」はとりあえず治っている、安静を保っているけど、またいつ再発するか分かりませんよという表現に読み取れます。

 

これによると精神疾患は一度なったら治らないというイメージになりますが、少なくともうつ病に関しては「寛解」ではなく、「治る」疾患と思います。

確かに未経験の人より再発の可能性は高いと思うし、既往歴がある方は再発しないように充分気を付ける必要があると思いますが、それは他の疾患、例えば脳梗塞とか心筋梗塞とか胃潰瘍とかでも同じではないでしょうか。そういう意味で完治とは書きませんが、治る疾患と言えます。

もし再発を繰り返すようでしたら、前回の記事で書いた根本原因がケアされていない可能性が高いと思います。逆にその部分がしっかりとケアされていれば、うつ病の再発率が高いという情報を見てもビビる必要はありません。私も以前はビビっていましたが(笑)。

 

そもそもなぜ一般的に「寛解」という表現をされるのか。確かに、現在の医学の常識では精神疾患の中には治らないとされている病気があるのも事実です。でも、「寛解」というのは随分適用範囲が広くて、診断する医者にとって都合の良い言葉のように思えます。

 

寛解」という曖昧な言葉が使われる理由は、精神疾患というもの自体が曖昧なものだからではないかと思います。

例えば、うつ病についても、憂うつな気分で落ち込みうつ的な状態になることは誰でもあります。それがうつ病うつ状態に診断されるかは一定の基準は定められているとは言え、医者や当事者の主観に左右される部分も大きい。

 

何をもって治っているのか?治っていないのか?別に薬を飲んでいるから治っていないということではありません。結局のところ、当事者の方が仕事でも普段の生活でも本来持っているパフォーマンスをしっかりと発揮できる状態が治っているということだと私なりに解釈しています。

うつ病は治るのか?-2

治るための要因として、大きくは自分要因と環境要因があると思います。これは再発する要因にも同様のことが言えます。

 

自分要因とは、認知の歪みに代表されるような性格的な問題であったり、うつ病に特有の負の感情(怒り、悲しみ、焦り、不安など)が解消できていない状態、当事者の生活サイクル、PTSDなどの要因。

環境要因とは、周囲(家族、友人、職場の人など)の理解、職場環境(仕事のハードさ、人間関係など)などの要因です。

 

多くの人のうつ病に至った原因は、それらの要因が複合的に重なったためと思います。私が知る限りですが、例えば過労といった環境要因が主である場合は、それがある程度改善されればスムーズに復帰できるケースが多い気がする反面、例えば性格的な問題のような自分要因が主である場合は、それにきちんと向き合っていないと再発してしまうケースが多い気がします。

 

自分要因を改善するためには色々なやり方がありますし、私がこのブログの中でどこまで踏み込めるか分かりません。詳細は今後少しずつ書いていきたいと思いますが、基本スタンスとして問題に向き合うことが大切と思います。

急性期のような心身ともに疲れ果てている状態の時は休息を優先し、問題を先送りするべきと思いますが、社会復帰するまでには自分の問題と向き合うことは大切なことです。それを避けると、一見見かけ上は回復したように見えても、社会復帰したら休んでいた時以上に心身ともに負荷がかかるので持ちこたえられなくなるという事になりかねません。

 

問題に向き合うことは大変なことではありますが、自分が良い方向に変わるチャンスでもあります。病気になったことを前向きに捉えることができるかは、こうした試みを通じて自分の成長を実感できるかにもよると私の経験からも感じています。

 

問題に対するアプローチは色々なやり方がありますが、周囲の信頼できる人や専門家の助けを借りたり、本やネットの情報を参考にしながら、自分に合ったやり方を見つけて欲しいなと思います。

心理療法でも色々なやり方がありますが、合うか合わないかはその人次第なので、仮に一つのやり方が合わなくても諦めずに別のやり方を試してみるのが良いと思います。