精神疾患・障害を抱える方を支援するブログ

経験者だから感じる視点で、読者の方に少しでも希望を届けたいと思います。

うつ病は治るのか?-2

治るための要因として、大きくは自分要因と環境要因があると思います。これは再発する要因にも同様のことが言えます。

 

自分要因とは、認知の歪みに代表されるような性格的な問題であったり、うつ病に特有の負の感情(怒り、悲しみ、焦り、不安など)が解消できていない状態、当事者の生活サイクル、PTSDなどの要因。

環境要因とは、周囲(家族、友人、職場の人など)の理解、職場環境(仕事のハードさ、人間関係など)などの要因です。

 

多くの人のうつ病に至った原因は、それらの要因が複合的に重なったためと思います。私が知る限りですが、例えば過労といった環境要因が主である場合は、それがある程度改善されればスムーズに復帰できるケースが多い気がする反面、例えば性格的な問題のような自分要因が主である場合は、それにきちんと向き合っていないと再発してしまうケースが多い気がします。

 

自分要因を改善するためには色々なやり方がありますし、私がこのブログの中でどこまで踏み込めるか分かりません。詳細は今後少しずつ書いていきたいと思いますが、基本スタンスとして問題に向き合うことが大切と思います。

急性期のような心身ともに疲れ果てている状態の時は休息を優先し、問題を先送りするべきと思いますが、社会復帰するまでには自分の問題と向き合うことは大切なことです。それを避けると、一見見かけ上は回復したように見えても、社会復帰したら休んでいた時以上に心身ともに負荷がかかるので持ちこたえられなくなるという事になりかねません。

 

問題に向き合うことは大変なことではありますが、自分が良い方向に変わるチャンスでもあります。病気になったことを前向きに捉えることができるかは、こうした試みを通じて自分の成長を実感できるかにもよると私の経験からも感じています。

 

問題に対するアプローチは色々なやり方がありますが、周囲の信頼できる人や専門家の助けを借りたり、本やネットの情報を参考にしながら、自分に合ったやり方を見つけて欲しいなと思います。

心理療法でも色々なやり方がありますが、合うか合わないかはその人次第なので、仮に一つのやり方が合わなくても諦めずに別のやり方を試してみるのが良いと思います。

うつ病は治るのか?ー1

うつ病は治るのか?」という問いは当事者の方にとってはとても切実なテーマだと思います。

実際、私も何度も何度もこのことを考え、誰かに答えてもらいたかった。いつまで経っても良くならない自分、今まで普通だったことが思うようにできない自分にいらだち、本当に治るのか?いつになれば治るのか?と何度も問うていました。

 

でも不思議なくらい誰もそのことに答えてくれないんですね。

医者など医療関係者にはこの質問をしてもはぐらされていました。今を見ましょうとか言われて。かといって病気のことを理解できていない親に治るよとか言われてもピンとこない。ネットは色んな情報があって、どれを信じたらいいのか分からない。

ネットを見て、脳の視床下部にダメージを受けてもう治らないんじゃないかとか、素人判断であれやこれや心配していました。私の場合は最初の重症に至ったエピソードが強烈でしたから、あれがなければもう治ってたのに、、という後悔と不安に打ちのめされていました。

 

先程、ネットで試しにうつ・完治というキーワードで検索して目についたページをパラッと見てみると、うつの期間は通常は数ヶ月程度ですが長いケースでは1年以上に及ぶことがありますと書いてありました。

いやー、私はうつ患者で数ヶ月程度で治ったという人を見たことないと思うのだけど。。私が知っているのは休職したレベルの人だから、だましだましでも仕事を継続できる人も含めると数ヶ月程度の人もいるのかもしれません。でも、あまり軽く書くと長い期間に及ぶ人は失望するのでは?と疑問に感じました。逆に、サイトによってはやっぱり治らないんじゃという思いにさせられてしまうものもあると思います。

 

自分のそうした「うつ病は治るのか?」という問いに明確に答えて下さったのはあるカウンセラーの方でした。「適切な対処をすれば時間をかけて徐々に回復する、波があっても必ず治る」と言って下さいました。

明確に治ると言われたことが、凄く心強かったし、嬉しかった。発症してから約2年半の時でした。それからも山あり谷ありでしたが、治るという希望が自分を支えていた大きな柱の一つだったように思います。

統合失調症 ~「わが家の母はビョーキです」を読んで~

統合失調症精神疾患の中でもメジャーな疾患ですが、私は自分が入院するまでこの疾患を知りませんでした。

院内にも多くの統合失調症の患者がいましたし、しばらく後にリワーク(復職支援プログラム)に参加した時、別グループで統合失調症のグループがあり、幸いにも仲良くなって一緒にフットサルをしたりしていました。リワークの時に会った統合失調症の方々は私が接している分には普通の健常者と変わらない感じで、楽しい人達でした。中にはTOEICの勉強を頑張っていて、驚くような高得点を取っていた人もいました。

 

統合失調症は、関係ないところに生きている人にとっては分かりにくい疾患と思います。まあそれを言ってしまえば、精神疾患全般が他の人には分かりにくいものではあるのですが。

ただ、うつ病に関して言えば、誰でも生きていればうつっぽい気分になることはあるのでまだ想像することも不可能ではないと思うんですね。

しかし、統合失調症の幻覚や妄想は他の人には分かりにくい。例えば幻覚でこちこちょとくすぐられている感覚があっていきなり笑ったとします。本人にはくすぐられているというストーリーがあるので不自然なことではないですが、周りの人はギョッとしてしまいます。そういう点を考えても、難しいし、生きずらさを感じる疾患と思います。

 

と書きましたが、正直に言って私は統合失調症のことを理解できていると言えません。そこで、「わが家の母はビョーキです」(中村ユキ著)を読んでみました。

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この本は母親が結婚・出産後に統合失調症を発症して、子供である著者が母親を支えながら共に生きてきた実話を漫画にしたものです。漫画なのでコミカルに書いてますが、中身は壮絶な体験記です。

 

この本で特に感じ入った点は、病気であることで人から避けられ、恥ずかしく思い、主治医にも本当の状態を言えない母、死にたいと言い続けてきた母が、地域支援センターというありのままの自分を受け入れてくれる仲間と居場所を見つけ、生きる勇気につながったこと。

 

病態失認(病気があるのに自分では病気ではないと感じ、そう感じるままに行動してしまうこと)により客観的な視点を長い期間持てなかったことで状態が良くならなかった。支援者の重要性を改めて認識させられたこと。

 

当事者と周囲との間に、病気への基本的な対応に加えて、思いやりと共感がプラスされると最強であること。

 

下記、「わが家の母はビョーキです」から引用します。ご興味ある方は本を読んでみて下さい。

 

「(著者が)失敗だったと思うこと」

・経済的に不安定で常に心配事のある生活

・病気と母の気持ちに、家族が無関心でいたこと 

・治療を病院まかせ、当事者まかせにしていたこと

抗精神病薬をキチンと飲まない生活をしていたこと

・病気に対する知識のなさ

・病気を隠して誰にも相談しなかったこと

・治らないとあきらめていたこと

・母の陽性症状に巻き込まれ、負の感情を抱き過激に反応していたこと

 

「わが家のトーシツライフ10カ条!!」

1 困ったときはまわりに相談

2 ドクターや関係先とは情報を共有

3 クスリはかかさずに飲む

4 疲れる前に休む

5 なるべくひとりでいない(支援センターに通う)

6 病気の知識を更新しよう

7 家族各々が自分の楽しみを持つ

8 家族同士の距離感を守る

9 毎日会話をしよう

10 思いやりと共感と感謝

 

 

 

5歳女児を2階から投げ落とす事件

先日職場の人からこういう話を聞きました。5歳の女の子が見知らぬ中学生にまとわりついたら、中学生は腹を立て女の子をスポーツセンターの2階に連れていき、そこから落として女の子は重症を負ったという事件があったと。

 

その話を聞いた時、私はなんでそんなひどいことをするのか、その中学生はどうなっているのかと憤慨しました。でも、職場の人から言われた言葉に私は固まりました。「その中学生は精神障害者らしい。怖いな」。

 

あー、そうなのか。。それは何と言えばいいんだろう。確かに同じような小さな子供を持つ職場の人の気持ちは分かる。怖い、心配だという。でも。。

 

なんかこの話を聞いて考え込んでしまったんですね。被害者の女の子は知らない中学生でもお兄ちゃんという感じでまとわりついたんだろうし、それだけ人懐こく健全に育った子なんだと思います。でもこういう大きなトラウマに繋がるような仕打ちを受けて、その衝撃を払拭できるのか、人を怖いと感じるようになってしまわないか心配です。被害者のケアは絶対に考えなければいけないことでしょう。

 

加害者の中学生はニュースを見ると、特別支援学校に通っていたとの事。私には精神障害なのか知的障害なのか、精神障害だとしてもどういう種類のものかとか詳細は分かりません。

ただいずれにしても、何らかの障害を持っており、悪意ではなく衝動的に起こしてしまったのであろう、あとで大きな後悔の念を感じているであろうことが想像できるので、私には中学生にも一種の同情を感じてしまいます。ネットのコメントでは多くの批判が寄せられていましたが。親が見てないからだと言われても、四六時中見続けることも難しいでしょう。

 

こういう事件を聞いて、どうすればいいんだろうと私なりに落ち込みます。精神障害の方は、昔はコミュニティの中で隠されてきたという歴史がある。今は就労支援も活発化しているように社会に出そうという動きに大きく変わってきており、それ自体は素晴らしいことだと思っています。

ただ、こういう事件が起こることで、社会の目が、やっぱり精神障害者は危ない、怖いという風になってしまう、そしてその批判も理解できるものだけに悩んでしまいます。

 

今回のテーマに関する答えは現状ありませんが、精神疾患・障害の方が苦しむ社会からの偏見というテーマは今後このブログの中で考えていきたいと思います。

休めるためには

今までの記事でうつ病回復のアプローチとして頑張ることの必要性を書きましたが、今回は休むことをテーマにしたいと思います。

頑張ることと同様に、休むこともとても大事です。急性期の患者は休むことがほとんどですが、回復期の方は頑張ると休むのメリハリが大事と思います。

 

でも記事 うつ病は心の風邪で頑張らないものか?-1 で書いたように、気を楽にして休むということ自体、うつ病の方にとって結構難しいことです。

例えば、休むことで最も大切な睡眠をとっても、脳が興奮状態にあるからなかなか休むモードにスイッチが切り替わってくれないし(私はスイッチが壊れてしまったのではと感じていました)、後悔や怒りや焦りなど色々な負の感情が沸き上がってきて、気持ちもなかなか静まりません。うつ病以外の精神疾患の方も多分似たようなところはあるのではと思います。

 

それに対する一つのアプローチとして、「できる範囲でいいから何か行動する」ことをお勧めします。

ご本人が思いつくことをやってみればいいと思いますが、私のお勧めは散歩です。運動にもなりますし、五感を使って歩いてみれば、太陽の光を感じたり、空気の匂いを感じたり、街のざわめきを感じたりして意外と癒しになるし、気持ちもわずかかもしれませんがリフレッシュされ、明るくなります。体力を戻すためにウォーキングマシンで歩くでも意味はありますが、やはり外に出て五感を使って歩いて欲しいなと思います。

 

もしかしたら病気であることに引け目を感じて、あるいはすっぴんのままだとちょっとという方もいるかもしれませんが、マスクをするなど多少変装してもいいから堂々と外を歩いて欲しいです。本当に自分が思うほど人は自分のことを気にかけていないものですよ。外を散歩して、図書館でちょっと雑誌でも読んで帰るとかもいいかもしれませんね。

 

と、頑張る路線のことを書いてしまったかもしれませんが、これが休むことの一つの秘訣と思います。一日の中に何かしら充実することがあれば、それが精神の充実や安定に繋がるし、体も疲れるし、結果として休めることに繋がると思います。

 

人間の悩みに対する解決法の一つに忙しくするということがあります。悩む時間がなくなる位に忙しくすれば悩むヒマがないし、時間が経てば意外と何でこんな事で悩んでたのかな?ということも結構あります。現在疾患で苦しんでいる方は忙しくするまではさすがに無理ですが、「何か行動する」ことはできると思います。

休むことに関して、睡眠や薬に関するテーマはまた後日書きたいと思います。

うつ病は心の風邪で頑張らないものか?ー3

支援者の方(親、配偶者、その他家族、友人、職場関係者など)に対してですが、今迄の内容と逆のようですが、当事者に対して頑張れとは言わない方がいいと思います。なぜなら、当事者は既にものすごく頑張っているからです。

 

うつ病の苦しみは周囲からなかなか理解され難いですが、自分の中で普通の事が普通にできない、当たり前だった事が当たり前にできないということが一つあります。なんとか病気になる前のようにやろうと努力するのですが、それができないことにすごくもどかしさや落胆を感じます。でも何とかしよう、したいとは思っています。

もしそういう姿勢が見えなくて自堕落な生活を送っていたとしても、それはトライしたこともあるけれど失望や悲しみが多すぎて諦めてしまっているのではないでしょうか。どうせ無駄だと。防衛本能と言えるのかもしれません。

 

支援者ができることはその頑張り、プラス面をきちんと認めてあげることだと思います。「頑張ってるんだね」と。心から伝えれば当事者の心に届くはずです。当事者は充分すぎる位に傷つき、思いやりの心に飢えています。

その上でもし何かこうして欲しいというものがあれば、「○○と思うけど、どう思う?」と提案してみてはどうでしょうか。命令・指示ではなく、提案で。

決断して、行動を起こせるのは当事者しかいません。病気を治す、または病気と共に生きても幸せを掴めるのは当事者本人しかいないのですから。

 

うつ病は心の風邪で頑張らないものか?-2

前回のブログで頑張ることは絶対に必要と書きましたが、頑張らないというと語弊がありますが、頑張りが足りない状態というのを私なりの解釈で書きます。

 

健康な人でも日常生活の管理に気を配ることは大事と思います。規則正しい生活習慣、食事、運動など。現時点でうつ病に苦しんでいる人は、健康な人以上に日常生活の管理を大事にするのは当然と言えます。今までの生活習慣に問題がなかったか、病気になったことをきっかけに見直す良い機会です。

 

しかしありがちなパターンとして、病気になって休んでいる状態でも重要性を理解していないのか、時間が有り余っているのか、ヤケになっているのか、一向に生活習慣が改善されず、ゴロゴロ寝たりネットサーフィンをするばかりだったり、過度にお酒を飲み過ぎたりというような残念な休み方をする人もいるようです。そして休職期間が終わるから、無職期間が長いからと焦って復職や就職しても、ほとんど動いていないランナーがいきなり思い切り走ってもダウンしてしまうように、良い結果になるとは思えません。

 

どういう風に頑張るかの方法は、私なりの知見を今後機会を見て書いていきたいと思いますが、休んでいる間にある程度の頑張りを効かせて継続的なトレーニングをしていく必要があることは理解して欲しいです。次回はこのテーマに関して、支援者に対しての視点で書きます。