精神疾患・障害を抱える方を支援するブログ

経験者だから感じる視点で、読者の方に少しでも希望を届けたいと思います。

発達障がいと同調圧力

今年は「忖度」という言葉が注目されました。流行語大賞になるかもしれないようです。私はこの「忖度」という言葉、実に日本社会を象徴している言葉だと感じます。

 

「忖度」を辞書で引くと、「相手の気持ちをおしはかること」だそうです。この言葉自体に悪い意味はありません。むしろ社会で生きていくには必要なスキルと思います。

近年では「上役などの気持ちをおしはかる」という用法が広がりつつあるようです。これは「忖度」という言葉の用法の一部にすぎないとのこと。今年「忖度」という言葉に悪いイメージが付きましたが、それはこの用法で捉えた場合と思います。

 

前置きが長くなりましたが、日本社会は実に「忖度」社会、悪い意味ではありませんが「相手の気持ちをおしはかること」を求める社会だと感じます。

それは相手への思いやりという良い部分につながることもありますが、みんな一緒にという横並びの「同調圧力」社会へとつながっているとも感じます。「お前、空気読めよ」という社会ですね。

発達障がいの方は「相手の気持ちをおしはかること」、「空気を読むこと」が苦手です。発達障がいの方にとって日本社会は生きにくいだろうなあと感じます。

 

私は以前、モンゴルで生活し仕事をした経験があります(今、相撲の問題で話題ですね)。日本人基準で考えるとモンゴル人って実に空気読まない人たちなんですよ(笑)。

例えば、移動で飛行機に乗って隣にモンゴル人がいる。こっちはゆっくり寝て過ごしたいなあと思っているのに、そのモンゴル人はおかまいなしでずっとマシンガントークで話しかけてくるんですよ。まあ適当に相手をして、到着する頃にはそこそこ話してるから連絡先くらい交換しようかなあとか思うじゃないですか。でも着いたらさよならも言わずに一目散に去っていったりして。今までは何だったんだという(笑)。

モンゴルに生活し始めた最初は腹が立つことも多かったですが、慣れてくるとあーモンゴル人ってほんま面白いなあって変わっていきました。またネタが増えたみたいな。慣れてしまうと意外と気を遣わなくていいから楽なんですよね。

 

今、職場の人に隠れ発達障がいだろうなと見ている人がいて、やはり「相手の気持ちをおしはかること」が苦手で、周りの人間関係がうまくいっていません。その人のことを腹黒いと思う人もいます。

でも、私には当人は悪気がなく、むしろ純粋な人だと見ています。だからかわいそうだと感じるし、少しずつ「相手の気持ちをおしはかる」よう機会を与えているつもりです。

 

元々、発達障がいという言葉が気に入らないんです、個人的には。障がいというか特性ですよね。それが本人が生きている社会と適応できないから問題が生じるだけで、本人自体に問題があるわけではありません。

あ、ちなみに私は嫁さんからADHDっぽいと言われてます(笑)。

お問い合わせフォーム&支援者交流会のお知らせ

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また、精神疾患・障がいを抱える方の支援者(家族、友人、職場関係者など)を対象とした支援者交流会を先月から広島市で開催しています。第2回を今月末に開催予定です。お住まいが近くてご興味ある方は、お問い合わせフォームからご連絡下さい。詳細をお知らせします。よろしくお願い致します。

うつ病は治るのか?ー補足

うつ病は治るのか?」というテーマで3回にわたり記事を書きましたが、先日、一般社団法人日本うつ病センター副理事長・野村総一郎氏によるうつ病をテーマとした講演を聞いて、私の知見やブログでの説明に足りないところがあるなと思いましたので、補足記事を書きます。

 

以下、野村氏の講演内容を一部引用します。私の記事では一般的なうつ病、内因性うつ病と呼ばれるものを想定していましたが、うつ病には他にもタイプがあります。

 

まず、身体に原因があるうつ病があります。貧血、甲状腺機能低下、月経前不快気分障がい(PMDD)、更年期障がい、血管性うつ病など。女性の中・高年齢層が特に多いようです。身体と心は連関しているので重要な部分と思います。このタイプのうつ病は身体の原因となる部分をケアすることが効果的なようです。

 

近年増えていると言われる非定型うつ病(新型うつとも呼ばれる)もあります。周囲からの影響がとても大きいのが特徴です。また、元々別枠で考えているのですが、双極性障がいもうつ病と関連する疾患です。非定型うつ病、双極性障がいにどういうアプローチが有効なのか、私自身分からないことが多いので今後勉強していきたいと思います。

 

うつ病を治りにくくする要素として、前々回の記事

うつ病は治るのか?-2 - 精神疾患・障害を抱える方を支援するブログ

で挙げた要因の他に、他の精神疾患(アルコール依存、不安障がい、統合失調症など)との併発が要因の場合もあり、併発疾患の治療が求められるとの話もありました。

 

うつ病を治し、予防するための心構えとして、うつ病の背景にある以下4点を軽減することの説明がありました。

  • 劣等意識
  • 被害者意識
  • 完全主義
  • 執着主義(無駄なこだわり)

うつ病は治るのか?-3

しばらく更新していませんでした。すみません。前回記事の続きを書きます。

うつ病など精神疾患の場合、一般的に治ることを「寛解」という表現をされます。これは「完治」とは違うのか?ということですが、「完治」は文字通り完全に治るという表現に対して、「寛解」はとりあえず治っている、安静を保っているけど、またいつ再発するか分かりませんよという表現に読み取れます。

 

これによると精神疾患は一度なったら治らないというイメージになりますが、少なくともうつ病に関しては「寛解」ではなく、「治る」疾患と思います。

確かに未経験の人より再発の可能性は高いと思うし、既往歴がある方は再発しないように充分気を付ける必要があると思いますが、それは他の疾患、例えば脳梗塞とか心筋梗塞とか胃潰瘍とかでも同じではないでしょうか。そういう意味で完治とは書きませんが、治る疾患と言えます。

もし再発を繰り返すようでしたら、前回の記事で書いた根本原因がケアされていない可能性が高いと思います。逆にその部分がしっかりとケアされていれば、うつ病の再発率が高いという情報を見てもビビる必要はありません。私も以前はビビっていましたが(笑)。

 

そもそもなぜ一般的に「寛解」という表現をされるのか。確かに、現在の医学の常識では精神疾患の中には治らないとされている病気があるのも事実です。でも、「寛解」というのは随分適用範囲が広くて、診断する医者にとって都合の良い言葉のように思えます。

 

寛解」という曖昧な言葉が使われる理由は、精神疾患というもの自体が曖昧なものだからではないかと思います。

例えば、うつ病についても、憂うつな気分で落ち込みうつ的な状態になることは誰でもあります。それがうつ病うつ状態に診断されるかは一定の基準は定められているとは言え、医者や当事者の主観に左右される部分も大きい。

 

何をもって治っているのか?治っていないのか?別に薬を飲んでいるから治っていないということではありません。結局のところ、当事者の方が仕事でも普段の生活でも本来持っているパフォーマンスをしっかりと発揮できる状態が治っているということだと私なりに解釈しています。

うつ病は治るのか?-2

治るための要因として、大きくは自分要因と環境要因があると思います。これは再発する要因にも同様のことが言えます。

 

自分要因とは、認知の歪みに代表されるような性格的な問題であったり、うつ病に特有の負の感情(怒り、悲しみ、焦り、不安など)が解消できていない状態、当事者の生活サイクル、PTSDなどの要因。

環境要因とは、周囲(家族、友人、職場の人など)の理解、職場環境(仕事のハードさ、人間関係など)などの要因です。

 

多くの人のうつ病に至った原因は、それらの要因が複合的に重なったためと思います。私が知る限りですが、例えば過労といった環境要因が主である場合は、それがある程度改善されればスムーズに復帰できるケースが多い気がする反面、例えば性格的な問題のような自分要因が主である場合は、それにきちんと向き合っていないと再発してしまうケースが多い気がします。

 

自分要因を改善するためには色々なやり方がありますし、私がこのブログの中でどこまで踏み込めるか分かりません。詳細は今後少しずつ書いていきたいと思いますが、基本スタンスとして問題に向き合うことが大切と思います。

急性期のような心身ともに疲れ果てている状態の時は休息を優先し、問題を先送りするべきと思いますが、社会復帰するまでには自分の問題と向き合うことは大切なことです。それを避けると、一見見かけ上は回復したように見えても、社会復帰したら休んでいた時以上に心身ともに負荷がかかるので持ちこたえられなくなるという事になりかねません。

 

問題に向き合うことは大変なことではありますが、自分が良い方向に変わるチャンスでもあります。病気になったことを前向きに捉えることができるかは、こうした試みを通じて自分の成長を実感できるかにもよると私の経験からも感じています。

 

問題に対するアプローチは色々なやり方がありますが、周囲の信頼できる人や専門家の助けを借りたり、本やネットの情報を参考にしながら、自分に合ったやり方を見つけて欲しいなと思います。

心理療法でも色々なやり方がありますが、合うか合わないかはその人次第なので、仮に一つのやり方が合わなくても諦めずに別のやり方を試してみるのが良いと思います。

うつ病は治るのか?ー1

うつ病は治るのか?」という問いは当事者の方にとってはとても切実なテーマだと思います。

実際、私も何度も何度もこのことを考え、誰かに答えてもらいたかった。いつまで経っても良くならない自分、今まで普通だったことが思うようにできない自分にいらだち、本当に治るのか?いつになれば治るのか?と何度も問うていました。

 

でも不思議なくらい誰もそのことに答えてくれないんですね。

医者など医療関係者にはこの質問をしてもはぐらされていました。今を見ましょうとか言われて。かといって病気のことを理解できていない親に治るよとか言われてもピンとこない。ネットは色んな情報があって、どれを信じたらいいのか分からない。

ネットを見て、脳の視床下部にダメージを受けてもう治らないんじゃないかとか、素人判断であれやこれや心配していました。私の場合は最初の重症に至ったエピソードが強烈でしたから、あれがなければもう治ってたのに、、という後悔と不安に打ちのめされていました。

 

先程、ネットで試しにうつ・完治というキーワードで検索して目についたページをパラッと見てみると、うつの期間は通常は数ヶ月程度ですが長いケースでは1年以上に及ぶことがありますと書いてありました。

いやー、私はうつ患者で数ヶ月程度で治ったという人を見たことないと思うのだけど。。私が知っているのは休職したレベルの人だから、だましだましでも仕事を継続できる人も含めると数ヶ月程度の人もいるのかもしれません。でも、あまり軽く書くと長い期間に及ぶ人は失望するのでは?と疑問に感じました。逆に、サイトによってはやっぱり治らないんじゃという思いにさせられてしまうものもあると思います。

 

自分のそうした「うつ病は治るのか?」という問いに明確に答えて下さったのはあるカウンセラーの方でした。「適切な対処をすれば時間をかけて徐々に回復する、波があっても必ず治る」と言って下さいました。

明確に治ると言われたことが、凄く心強かったし、嬉しかった。発症してから約2年半の時でした。それからも山あり谷ありでしたが、治るという希望が自分を支えていた大きな柱の一つだったように思います。

統合失調症 ~「わが家の母はビョーキです」を読んで~

統合失調症精神疾患の中でもメジャーな疾患ですが、私は自分が入院するまでこの疾患を知りませんでした。

院内にも多くの統合失調症の患者がいましたし、しばらく後にリワーク(復職支援プログラム)に参加した時、別グループで統合失調症のグループがあり、幸いにも仲良くなって一緒にフットサルをしたりしていました。リワークの時に会った統合失調症の方々は私が接している分には普通の健常者と変わらない感じで、楽しい人達でした。中にはTOEICの勉強を頑張っていて、驚くような高得点を取っていた人もいました。

 

統合失調症は、関係ないところに生きている人にとっては分かりにくい疾患と思います。まあそれを言ってしまえば、精神疾患全般が他の人には分かりにくいものではあるのですが。

ただ、うつ病に関して言えば、誰でも生きていればうつっぽい気分になることはあるのでまだ想像することも不可能ではないと思うんですね。

しかし、統合失調症の幻覚や妄想は他の人には分かりにくい。例えば幻覚でこちこちょとくすぐられている感覚があっていきなり笑ったとします。本人にはくすぐられているというストーリーがあるので不自然なことではないですが、周りの人はギョッとしてしまいます。そういう点を考えても、難しいし、生きずらさを感じる疾患と思います。

 

と書きましたが、正直に言って私は統合失調症のことを理解できていると言えません。そこで、「わが家の母はビョーキです」(中村ユキ著)を読んでみました。

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この本は母親が結婚・出産後に統合失調症を発症して、子供である著者が母親を支えながら共に生きてきた実話を漫画にしたものです。漫画なのでコミカルに書いてますが、中身は壮絶な体験記です。

 

この本で特に感じ入った点は、病気であることで人から避けられ、恥ずかしく思い、主治医にも本当の状態を言えない母、死にたいと言い続けてきた母が、地域支援センターというありのままの自分を受け入れてくれる仲間と居場所を見つけ、生きる勇気につながったこと。

 

病態失認(病気があるのに自分では病気ではないと感じ、そう感じるままに行動してしまうこと)により客観的な視点を長い期間持てなかったことで状態が良くならなかった。支援者の重要性を改めて認識させられたこと。

 

当事者と周囲との間に、病気への基本的な対応に加えて、思いやりと共感がプラスされると最強であること。

 

下記、「わが家の母はビョーキです」から引用します。ご興味ある方は本を読んでみて下さい。

 

「(著者が)失敗だったと思うこと」

・経済的に不安定で常に心配事のある生活

・病気と母の気持ちに、家族が無関心でいたこと 

・治療を病院まかせ、当事者まかせにしていたこと

抗精神病薬をキチンと飲まない生活をしていたこと

・病気に対する知識のなさ

・病気を隠して誰にも相談しなかったこと

・治らないとあきらめていたこと

・母の陽性症状に巻き込まれ、負の感情を抱き過激に反応していたこと

 

「わが家のトーシツライフ10カ条!!」

1 困ったときはまわりに相談

2 ドクターや関係先とは情報を共有

3 クスリはかかさずに飲む

4 疲れる前に休む

5 なるべくひとりでいない(支援センターに通う)

6 病気の知識を更新しよう

7 家族各々が自分の楽しみを持つ

8 家族同士の距離感を守る

9 毎日会話をしよう

10 思いやりと共感と感謝